「将来のためにそろそろお金を貯めたいけれど、何から始めればいいの?」
「コツコツ貯めるなら、昔ながらの『定期積金』がいい?それとも最近よく聞く『積立投信』?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
お金を蓄える方法として、どちらも「毎月決まった額をコツコツ積み立てる」という点では同じです。しかし、その中身や数年後・数十年後の結果には天と地ほどの差が出ることがあります。
今回は、暮らしのお金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)と、税金のプロである税理士の2つの視点から、積立投信と定期積金のメリット・デメリットを徹底比較します!あなたの大切なお金をどこに預けるべきか、一緒に見つけていきましょう。
1. 定期積金の基本とメリット・デメリット
定期積金とは、金融機関(銀行や信用金庫・信用組合など)に毎月決まった金額を預け入れ、満期になると元金と利息を受け取れる仕組みです。
昔からある「確実な貯蓄方法」ですが、今の時代におけるメリットとデメリットを見てみましょう。
FP目線のメリット・デメリット
• メリット:「確実」で「安全」
定期積金の一番の強みは、元本保証であることです。日本の預金保険制度(ペイオフ)の対象でもあるため、万が一、金融機関が破綻しても、金融機関あたり元本1,000万円までとその利息が保護されます。「絶対に減らしたくないお金」を貯めるには最強のツールです。
• デメリット:インフレ(物価上昇)で実質的にお金が減るリスク
見過ごせないのがインフレリスクです。現在の超低金利下では、定期積金にお金を預けてもほとんど増えません。一方で、世の中の物価が毎年2%ずつ上がっていった場合、お金の「価値」は相対的に下がってしまいます。額面は減らなくても、将来買えるものが少なくなってしまうという隠れたリスクがあると一般的に言われます。
税理士目線のメリット・デメリット
• メリット:確定申告が不要で手間いらず
個人が定期積金で受け取る利息(給付補填金)には税金がかかりますが、受け取る時点で20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が自動的に差し引かれます(源泉分離課税)。そのため、自分で確定申告をする必要が一切なく、税金面の手間はゼロです。
• デメリット:税制上の優遇措置がほぼない
どれだけ長期間コツコツ頑張って貯めても、税金を安くするような優遇制度はありません。増えた分からはきっちり約2割の税金が引かれます。
2. 積立投信(つみたて投資信託)の基本とメリット・デメリット
積立投信とは、毎日・週単位・毎月など決まった金額で「投資信託(さまざまな株や債券が詰まったパック)」を自動的に買い続ける仕組みです。数年前から始まった「新NISA(少額投資非課税制度)」の普及により、今や資産形成の主流となっています。
FP目線のメリット・デメリット
• メリット:長期・積立・分散で「お金が増える可能性」が高い
積立投信の最大のメリットは、「複利効果」と「インフレ対策」です。世界中の経済に分散して長期間投資を続けることで、年利数%といったリターンが期待できます。物価上昇のスピード以上にお金を増やせる可能性が高いため、老後資金などの長期的な資産形成に最適です。また、毎日・毎週・毎月定額で購入するため、価格が高いときには少なく、安いときには多く買うことになり、平均購入単価を抑える効果(ドル・コスト平均法)もあります。
• デメリット:元本割れのリスクがある
投資である以上、タイミングによっては投資した金額を下回る「元本割れ」のリスクがあります。数年後にすぐ使う予定があるお金を積立投信に回してしまうと、いざ使いたいときにリーマンショックのような大暴落が起きて損切りせざるを得ない、という事態になりかねません。

税理士目線のメリット・デメリット
• メリット:新NISAを使えば「運用益が完全非課税」
税理士として強く推したいのが、新NISA口座を活用した積立投信の圧倒的な税制メリットです。通常、投資で得た利益(運用益)には定期積金と同じく20.315%の税金がかかります。しかし、NISA口座内で積み立てた場合、いくら利益が出ても税金は1円もかかりません。
例えば、運用益が100万円出た場合、通常なら約20万円が税金として引かれますが、NISAなら100万円がまるまる手元に残ります。この差は非常に大きいです。
• デメリット:損失が出たときに他の利益と相殺できない(損益通算が不可)
NISA口座で積立投信運用をして元本割れ(損失)の状態で売却した場合、その損失は「なかったもの」とみなされます。他の特定口座などで出た利益と相殺して税金を減らす(損益通算)ことができないため、この点は注意が必要です。
3. 定期積金と積立投信の比較表
2つの特徴を分かりやすく表にまとめました。
比較項目 定期積金(預金) 積立投信(投資)
元本の保証 あり(だたしペイオフの対象) なし(元本割れのリスクあり)
期待できるリターン 極めて低い(ほぼ増えない) 中〜高(長期で増える可能性大)
インフレ(物価上昇) 弱い(お金の価値が目減りする) 強い(物価上昇に対抗できる)
税金 利息に対して20.315%(源泉分離課税・自動引き去り) 運用益に対して20.315%(新NISA利用で非課税)
主な用途 1〜5年以内に使う決まっているお金 10年以上先に使う将来のお金
4. FPと税理士が教える「失敗しない選び方」の基準
では、どちらを選べばいいのでしょうか?
プロの視点から、それぞれの方法が向いている人の特徴を解説します。
定期積金が向いている人
• 「3〜5年以内」に使い道が決まっているお金を貯めたい人
(例:子どもの直近の入学金、結婚資金、車の買い替え費用など)
• 投資の価格変動によるストレスを感じたくない人
• 強制的に毎月お金を口座から引き落として、確実にお金を貯めたい人
定期積金は、「増やすため」ではなく、「近い将来に確実に使うお金を、使わずに取り分けておくため」の道具として使うのが正解です。
積立投信(新NISA)が向いている人
• 「10年以上先」の将来に使うお金を大きく育てたい人
(例:老後資金など)
• 物価上昇でお金の価値が減るのを防ぎたい人
• 税制優遇(非課税メリット)をフルに活用して、効率よく資産を増やしたい人
10年以上の長期で取り組めるのであれば、一時的な値下がりがあっても、過去の歴史上、最終的にプラスになる可能性が高くなります。じっくり時間を味方につけてお金を育てたいのであれば積立投信を選びましょう。
まとめ:一番の賢い選択は「ハイブリッド」
定期積金と積立投信は、どちらか一方だけを選ばなければいけないわけではありません。
FPと税理士からの最終的なアドバイスは、「使う時期に合わせて両方を組み合わせること」です。
まずは生活防衛資金や数年以内に使うお金を「定期積金」でしっかり守りつつ、それを超える余裕資金や遠い未来のお金は新NISAを使った「積立投信」で賢く増やす。このハイブリッドな方法こそが、現代において最もリスクを抑え、効率的にお金を貯める王道です。
あなたのライフプランに合わせて、まずは無理のない金額から第一歩を踏み出してみもるといいでしょう?
※本記事は2026年現在の税制・金融制度に基づいて作成しています。実際の投資や資産運用にあたっては、ご自身の責任においてご判断ください。

小原正利

小原正利

新卒で東京都内の金融機関に就職し、安定した環境の中で経験を積みました。しかし次第に「もっとお客様の立場に近い仕事をしたい」という思いが芽生え、税理士を志すことを決意しました。
その後、仙台市内の会計事務所に転職。長時間労働や重責に追われながらも「お客様のために働く」という信念を大切にし、中小企業の税務・会計・事業運営の支援に情熱を注ぎました。在職中は専門学校・大学・大学院で学び、税理士資格を取得しています。
39歳からは仙台市内の大手不動産・建設会社に勤務、財務部門長として経営に携わる一方、休日に「小原正利税理士事務所」を開業し、土地建物オーナーや中小企業のお客様の支援に取り組んでまいりました。
50歳を迎え「残りの人生をどう生きるか」と悩む転機に直面し、東京都内の税理士法人に移籍、さらなる研鑽を積んだ後、独立に至りました。
令和7年1月からは、住み慣れた仙台に拠点を戻し「小原正利税理士・行政書士事務所」として再スタートを切りました。
相続・贈与をはじめとする各種税務申告、中小企業の事業支援を通じて、お客様一人ひとりの「豊かな未来を築く」ことを使命に、誠実かつ丁寧に寄り添うサービスを提供してまいります。

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